消しゴムレーザーポインタを作ろう

皆さんは消しゴムを加工したことがあるでしょうか。中学生の頃、退屈な授業中に、消しゴムを加工して中に機械やらコンピュータを隠したスパイグッズのようなものを作りたいと考えたものです。

今回は、消しゴムを加工して、レーザーポインタを埋め込もうと思います。秋月電子では、レーザーポインタのモジュールが380円で販売されています。これと、10円のタクトスイッチ、100円の消しゴムがあれば、レーザーポインタがたったの500円でできます。ぜひ、作ってみましょう。

写真1;これが消しゴムレーザーポインタだ
写真2;レーザーモジュールが秋月で380円

レーザーのしくみ

写真3;レーザーモジュール

レーザー光は指向性にすぐれ、明るい小さなスポットとして照らすことができるからです。

レーザーの光源は半導体レーザーです。半導体レーザーはレーザーダイオード(LD)とも呼ばれるため、発光ダイオード(LED)と混同されたりしますが、両者が放つ光は大きく異なります。発光ダイオードは“自然放出”、半導体レーザーは“誘導放出”という原理によるものです。自然放出の光(自然界の光やLEDの光など)は、波長が一定でも位相や波形がそろっていない光です。そのため、距離が長いほど光が拡散してしまいポインタのように集まりません。

一方、レーザー光は原色の波長を使うことと、結晶のレンズで集光させることで、位相も波形をそろえることで、まっすぐで拡散しない光を作ることができます。


さっそく作ってみよう

さっそく、消しゴムレーザーポインタを作りましょう。第1図が回路図です。レーザーは、使い方が難しいように思えますが、豆電球などと同じで、電池をつなぐだけで光ります。コイン電池にはCR2032、ボタンは、秋月で販売されている1cm角のスイッチを使いました。第2図の寸法で消しゴムを加工し、第3図のように取り付けます。

第2図;加工図面
第3図;部品の取り付け位置
第4図;表面
第5図;裏面

まず、第2図の寸法を消しゴムに書いていきます<写真4>。寸法に忠実になる必要はありません。部品を実際においてなぞるのもよいでしょう。表面、裏面はこのようにかきました<写真5><写真6>。

写真4本体に線をひいていく
写真5;表面
写真6;裏面
写真7;使用したルーター
写真8 ルーターで消しゴムを削っていく

消しゴムを掘るのは、彫刻刀などでもできますが、ケガしやすいのと力加減が難しいので、ルーターを使うことにしました。

まともなルーターはとても高価(1万円くらい)しますが、加工対象は消しゴムですから、そんなに高いものはいりません。近所のホームセンターで販売されていた電池式のもの(700円程度)を使います。これでも、消しゴムでしたら十分削れます。ケガに注意して削りましょう<写真8>。

少し削っては、部品をおいて深さを確かめ、また削るを繰り返します<写真9>。電池側も同じように削ります<写真10><写真11>。

写真9;実物でサイズを確認
写真10;さらに削る
写真11;実物で確認

削っている様子は、冒頭の動画にも詳しく載せますのでそちらもぜひ見てください。

写真12 不要な突起を切り落とす
写真13 切り落としたスイッチ

スイッチには突起がついています。消しゴムの厚さは11mmしかないので、これがあると収まりが悪いですので、ニッパーで切り落としてしまいましょう<写真12>。切り落とすと写真13のようになります。すこし表面が汚くなりますが、消しゴムのカバーに隠れるので問題ないです。

レーザーモジュールのケーブルは4cm程度に切り、ひふくを剥きます<写真14>。 上側の貫通穴にケーブルを通し、黒い線とスイッチをはんだづけします<写真15><写真16>。

写真14  レーザーのひふくを剥く
写真15 貫通穴に通す
写真16; 黒線とタクトスイッチをはんだづけ
写真17 赤線にスズめっき線をつける
写真18 レーザーモジュールをはめこむ

また、スズめっき線(抵抗の余り足など)を用意し、3cm程度に切ります。スイッチのレーザーをはんだづけした端子とは対角の端子に、めっき線をはんだづけします<写真17>。また、レーザーの赤い線にもう一本、スズめっき線をはんだづけしましょう。レーザーは裏側に組付けます<写真18>。

写真19 レーザーの照射口を開ける
写真20 少し顔を出す程度

また、レーザーの照射口をカッターで切り出します<写真19><写真20 >。

写真21 タクトスイッチ側のめっき線は電池の下
写真22 レーザーの赤い線は電池の上

写真21のように、スイッチにつけたスズめっき線は,電池のマイナス(下)側につなぎます。電池をセットして、電池の上に、レーザーの赤い線とつながったスズめっき線を置きます<写真22>。

最後に、消しゴムのカバーをつけて完成です<写真23>。MONOのロゴのMあたりを押すと光るはずです。どうでしょうか、無事にできたでしょうか。

写真23 カバーをかぶせる
写真24 完成

部品表 (合計500円)

記号部品名部品の内容使用数[個]購入数[袋]価格(円)店舗名通販サイトデータシート
LEDレーザーモジュール11380秋月電子通商通販リンクデータシート
スイッチ1cm角タクトスイッチ1110秋月電子通商通販リンク通販リンク
消しゴムMONO PE-04A11110文具店
部品表

瓶づめLED時計を作る

2021年1月31日

コルク瓶に自作のデジタル時計をつめこんだ、おしゃれな時計を作りました。

この時計は、はんだづけからプログラミング、装飾、プリント基板づくりにいたるまで、一から作っています。

今回は、このLED時計の製作過程を書きつづりたいと思います。

Fusion360で概要設計

まず最初に、思いついたイメージを3D-CADでモデル化しました。イメージは、コルク栓の試験管に空中配線された7セグメントLEDを立てて表示する構想にしました。試験管は、東急ハンズで販売されていた試験管(リカシツ:リム付 平底試験管 40φx190)を使うことにしました。

リカシツオンラインSHOP 【理化学用耐熱ガラスの専門店】

リム付 平底試験管 40φx190

https://rikashitsu.jp/online-shop/products/detail1201.html

〈3D設計の写真〉

3D-CADで設計

回路設計

回路図を下図に示します。

〈CK-02の回路図〉

回路図はpdfファイルにもとっております。

回路自体はとても単純です。殆どの機能をArduinoのマイコン(ATmega328-P)にまとめています。ブートローダ書込み済のマイコンを使えば、Arduinoの基板をわざわざ使わなくても、なかのICチップとクロックのみで動かすことができます。

[Arduinoを単体で動かす方法は下記のpdfがわかりやすいです]

https://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/ArduinBootloader_ArduinoUno_compatible_sch_20180118.pdf

また時間を数える機能は、マイコンの中ではなく、外部にRTCモジュール(M3231)をつけることにしました。

7セグLEDは、アノードコモンのオレンジ色(型番)を使い、アノードコモン側をPNPトランジスタでON/OFFします。カソード側は330Ωの抵抗を介してマイコンのデジタルピンに直接つながっています。LEDの最大電流は10mAであるため、マイコンの供給能力(20mA)で十分まかなえます。

基板設計

次に基板を設計します。基板設計はいつもKiCadというソフトを使います。

基板サイズは、コルク瓶に入れるために25mm×120mmと最初に決めました。

それに合うようになんとかして配線を押し込みます。今回は片面一層基板を使うので、線同士の交差はできません。そのため、どうしても部品を交差させるときは、5025サイズの0オーム抵抗を置いて対応します。

KiCadの便利な特徴として、3Dで表示できるのも魅力です。

最後に白紙の紙にパターンを白黒で印刷して、実際に部品を載せてピッチを確認します。

時計の基板図面をpdfにしています。

基板製作

今回は、エッチングという方法で基板を作ります。

https://www.marutsu.co.jp/pc/i/40779/

パターンは、インクジェットモードの白黒モードで印刷します。

基板はサンハヤトのクイックポジ感光基板(片面ガラスエポキシ)を選びました。基板のサイズは最小で100×150mmなので、1枚だけ切り出すにはもったいないので、3枚まとめてデータを作りました。

基板製作エッチングの方法は、サンハヤトの公式に掲載されていたのでリンクを貼ります。

https://www.sunhayato.co.jp/problem-solving/step_of_original_circuit.html

ここでは、簡単に手順を掲載します。

感光基板を露光してパターンを転写
現像液に浸して現像する
腐食液に浸してエッチング
水洗い
部品を差し込む穴をあける

はんだ付け

基板に部品をはんだ付けしていきます。

表面実装部品のはんだ付けはP板ドットコムの動画がわかりやすかったと思います。

表面実装部品をはんだ付けしていきます。抵抗のサイズは1608サイズという、ほぼお米サイズです。

7セグメントLEDは、空中配線立てます。構想してた時は不安でしたが、いざ組み立ててみると、結構しっくりきました。

基板にスイッチなどもはんだ付けすれば完成!いい感じになってきた。

ソフト設計

次に、プログラミングをします。

プログラムは、Arduinoを使って書きました。後日、プログラムも詳しく説明した投稿を載せたいと思います。

#include <DS3232RTC.h>//ライブラリーをインクルード
void setup() {
Serial.begin(115200);
DDRD = DDRD | B11111100;      //D7 6 5 4 3 2 1 0 の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRB = DDRB | B00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRC = DDRC | B00000000;      //A* * 5 4 3 2 1 0の入出力設定(1で出力 0で入力)
//setTime(17, 31, 0, 29, 12, 2020);//初期設定 時、分、秒、日、月、年の順で入力
//RTC.set(now());//初期設定時間の書き込み
}
boolean Number_Array[11][7]={    //Number_Array[数字の数][セグ数]
                              //{g,f,a,b,e,d,c}で入力。1がOFF,0がON(アノードコモンのため)
{1,0,0,0,0,0,0},//0
{1,1,1,0,1,1,0},//1
{0,1,0,0,0,0,1},//2
{0,1,0,0,1,0,0},//3
{0,0,1,0,1,1,0},//4
{0,0,0,1,1,0,0},//5
{0,0,0,1,0,0,0},//6
{1,0,0,0,1,1,0},//7
{0,0,0,0,0,0,0},//8
{0,0,0,0,1,0,0} //9
};
//LED表示関数を定義
void Number(int x){
  for (int seg=0; seg<=6; seg++){
    digitalWrite(seg+2,-Number_Array[x][seg]);
  }
}
void loop() {
PORTD |= 0b11111100;      //D7 6 5 4 3 2をHIGH(一旦非表示にする)
PORTB |= 0b00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8をHIGH(一旦非表示にする)
int com[]={13,12,10,11};  //COMポートを設定{comA,comB,comC,comD}
int y[]={0,0,0,0};        //各桁に表示する数字の変数を宣言{時,時,分,分}
tmElements_t tm;
RTC.read(tm);
y[0]= tm.Hour/10;
y[1]= tm.Hour%10;
y[2]= tm.Minute/10;
y[3]= tm.Minute%10;
int dots = tm.Second%2;
dots = 255- dots *10;
analogWrite(9,dots);
  for(int i=0;i<=3;i++){        //ダイナミック点灯のループ
    digitalWrite(com[i],LOW);   //表示する桁を開ける
    int x=y[i];                 //その桁で表示する数字をxに代入
    Number(x);                  //xの数字を表示する
    delay(3);
    digitalWrite(com[i],HIGH);  //表示した桁を閉じる
  }  
}

このプログラムを、USBシリアル変換器を通して時計に書込みます。

書込みがうまくいけば、狙い通り、時間が表示される。

装飾

完成した基板をそのまま瓶に詰めました。うーん、なんかもの足りない、、、、

そこで、空いたすきまに百円ショップで購入した造花を加えてみました。

お、なんかしっくりきた。

ちなみに、電源はUSBからとっています。自作のものなので万が一、電源がショートしてしまったりする心配もしました。なので、いくらUSBだからといって、パソコンなどには刺さず、USBの充電器だけにしています(通常の充電器は、コンセントとトランスで絶縁されている、保護回路が必ずはいっているので)

完成品を棚のアンプの上にかざりました。円筒型なのでたまに転がってしまうので、なにか足になるものを作ろうと思います。

とりあえず、製作の記録としてホームページに載せてみました。

これからもいろいろなものを製作していこうと思っていますのでよろしくお願いいたします。

瓶づめマトリックスの製作

今回は、電光掲示板でおなじみの、LEDマトリックスを、コルク瓶の中におさめた時計を製作しました。全て空中配線で構成しています。

LEDマトリクス時計

と言っても回路設計からしたのではなく、

秋月電子のマトリクス時計キットを使いました。今回は、これを直径3センチ、高さ13センチの試験管に、空中配線で実装します。

秋月のマトリクスキット
部品点数は意外と少ない

秋月のキットには回路図が付属されているのでとても作りやすいです。

基本的な機能は全て、PICマイコンに集約されています。電源は、6~9V程度とかいてありますが、レギュレータで5VにしてICに供給しているようです。

今回は、USBから供給しようと思うので、レギュレータの回路は取っ払います。

空中配線といっても、一番下の土台にはユニバーサル基板を使いました。ここから、1.6mmのVVF線を柱として生やしました。

キットには回路図がついているので作りやすい
VVF線を柱に建造
マトリクスの裏にも小さい基板を配置
自立させることができる

今回は、試験管に組み込んでみました。電源は、5VのUSBをそのまま接続。

思った以上に、良い見た目です。

試験管に入れる
MFTに出展

2021.8.31 OT-01の回路設計

前回のブログでは、超音波楽器のブロック図まで設計しました。

さっそく回路設計に入ります。

下記が前回設計したブロック図です。

要するに、各モジュールをいかにしてマイコンに接続するかが大事になります。

まず、使用するマイコンのピン配置を確認します。

ATmega328PUのピン配置
ATmega328PUの各通信端子

SRF-02の接続

SRF-02はI2Cという形式で通信します。

I2Cの接続方法はとても簡単です。今回は超音波センサを2台並列でつなげられるようにします。

I2Cの通信は、センサ(Slave)とマイコン(Master)にそれぞれあるVcc,GNDの電源端子、同期クロックのSCL、信号線のSDAの4つの端子同士をつなぎます。

並列でつないでいても、それぞれのセンサにはアドレスが振り分けられているため、問題ありません。

YMF-825の接続

YMF-825はSPIで通信します。

SPIの通信は、音源IC(Slave)とマイコン(Master)にそれぞれあるVcc,GNDの電源端子、同期クロックのSCKと接続対象のSlaveを選択するSS(Slave Select)、MasterからSlaveに信号を送るMOSI(Master Out Slave In)とSlaveからMasterに信号を送るMISO(Master In Slave Out)があり、合計6本の線で構成されます。

Software Writer

ソフト書込みは前回のブログでも紹介しました。

ソフト書込みはUARTで通信しますので、変換器のTXD(送信)を,ATmega328のRXD(受信)に、変換器のRXD(受信)をATmega328のTXD(送信)に接続します。あとは、TTL変換器の+5VとGNDを、ATmega328にも供給します。そして、変換器からリセットの信号を送れるように、RTSとATmega328のResetを、0.1uFのコンデンサを経由して接続します。

Speaker Driver

YMF-825の使い方次第ではメモリーが足りなくなります。そういうときのために、単純な電子音であれば出せる、スピーカーのドライバ回路を用意しました。

以前のブログにもまとめています。

さいごにこれらの回路を統合した回路図を書きました。

次回は、KiCadで基板設計をします。

2021.8.24 超音波楽器OT-01の構想と設計

今回から新企画です。

新しい、楽器を作ってみたいと思います。

今回のブログはその構想からブロック図の設計までをやりたいと思います。

作りたい楽器のイメージ

イメージは右図のように、超音波センサを上向きで配置します。

センサの上に手をかざして、演奏をします。かざす手の高さで音階が決まるシンプルなものです。

ブロック図

次にブロック図です。

メインとなるマイコンは、Arduinoで簡単にプログラムできる利便性から、ATmega328を使います。

超音波センサにはSRF-02を使用しました。最大2台のセンサをつなげられるようにします。超音波センサとマイコンの間は、I2C通信によって情報伝達を行います。

また、様々な音色を作れるYAMAHAの音源ICを使ったモジュールYMF-825を接続します。

これは、SPI通信にて情報交換をします。

あとは、音を出すタイミングを手動で入れられるジョイスティック。

そして、マイコンのメモリーオーバーなどで、YMF-825と超音波センサを同時に動かせないときのために、

スピーカーを直で駆動できる回路も備えます。

また、マイコンを単体で動かすので、ソフトの書込み端子を用意しなければなりません。まだ開発段階なので、RAM値を読み込めるように、UART通信により、パソコンのUSBと接続できるようにします。

次に、各ブロックを詳細に見ていきましょう。

マイコン

使用するマイコンについて、秋月電子の販売ページに簡単にまとまってたので下記に示します。

ATmega328 (秋月電子HPより引用)
ATmega328 (秋月電子HPより引用)

ATmega168のメモリ倍増版です。ブートローダと呼ばれるプログラムを書き込んだものは、Arduinoに搭載されるなど電子工作においてポピュラーなマイコンの一つです。

■主な仕様
・シリーズ:ATMEGA
・電源電圧:1.8~5.5V
・コア:megaAVR
・コアサイズ:8bit
・クロック:20MHz
・プログラムメモリ:32kB
・EEPROM:1kB
・RAM:2kB
・GPIO:23pin
・ADC:6Ch
・UART/USART:1Ch
・I2C:1Ch
・SPI:1Ch
・タイマ:3Ch
・オシレータ:内蔵/外付
・パッケージ:DIP28

**秋月電子HPより引用**

汎用性は、かなり高く、メモリー容量もまずまずです。

 

超音波センサ(SRF-02)

まず、SRF-02の通信には二つのモードがあり、I2CとUARTがありますが、今回はI2Cに焦点を当てて説明します。

まずは、SRF-02の主な特徴です。

詳しくは以前のブログを参考にしてください。

◆主な仕様
・使用マイコン:16F687-I/ML
・測定範囲:16cm~6m.
・電源:5V(消費電流4mA Typ.)
・使用周波数:40KHz.
・アナログゲイン:64段階の自動ゲインコントロール
・接続モード:モード1=I2C、モード2=シリアルバス
・全自動調整機能:電源投入後キャリブレーション不要
・測距タイミング:エコー時間計測、ホストによるタスクコントロール
・測定単位:μS(マイクロ秒)、ミリ、インチ
・サイズ:24mmx20mmx17mm
・入出力端子:5ピン
・重量:4.6グラム

音源IC(YMF-825)

ヤマハのFM音源チップYMF825(SD-1)を搭載した音源ボードについて以前のブログに掲載してますので参考にしてください。ヤマハ独自のFMシンセサイザを搭載し、数種類のパラメータ指定により豊かなサウンドを再生することが可能です。

ArduinoやRaspberry Pi等のマイコンボードから、SPIを通して直接YMF825のレジスタを制御することで発音させます。スピーカーアンプも搭載しているので、アンプ回路を別途外部に用意する必要がありません。

※3.5 mmのヘッドホンジャックを搭載していますが、iPhone用などの4極CTIA採用のイヤホンはお使いいただけません(OMTPのものはお使いいただけます)。**Switch science様の販売ページより**

**Switch science様より画像引用**

仕様

  • 4オペレータのFM音源
  • 最大16音同時に発音可能
  • FMの基本波形29種類内蔵、アルゴリズム8種類
  • SPIによるシリアルインタフェース
  • スピーカアンプ内蔵
  • 3バンドイコライザ内蔵
  • 16 bitモノラルD/Aコンバータ内蔵
  • 動作電圧:5 V
  • 3.3 Vでも改造することで利用可能

スピーカードライバー回路

スピーカーの駆動回路について以前のブログでまとめてますので参考にしてください。

この回路は、電子音を鳴らすことに特化させているので、この回路で普通の音楽を流すことには向かないとおもいます。

回路はいたってシンプルです。Arduinoからはデジタル出力の矩形波が出力される。このデジタル信号がトランジスタQ1のベースに入力される。ベースに電流を流すと、コレクタエミッタ間がONとなち、スピーカーに電流が流れる。デジタル信号のHIGH/LOWの周期によって、すぴーかーに電流を流す、流さないが変化する。したがって、デジタル信号の周波数の電子音がスピーカーから発せられる。

R1の抵抗は、デジタル信号の電流が、ベースには高すぎるので、抵抗R1を挟んで電流を小さくしている。

また、R2の抵抗も、スピーカーに流れる直流電流が大きすぎるため、R2の抵抗を挟み電流を小さくしている。

また、D1のダイオードは、スピーカーのコイルを矩形波でON/OFFしてしまうと、スピーカーの電圧が一気に跳ね上がってしまうため、電圧が跳ね上がらないようび、スピーカーのコイルにたまった電流を逃がす回生ダイオードを積んでいる。

ソフト書込み

ソフト書込みに関しても以前のブログを参考にしています。

UARTの通信ですので、変換器のTXD(送信)を,ATmega328のRXD(受信)に、変換器のRXD(受信)をATmega328のTXD(送信)に接続します。あとは、TTL変換器の+5VとGNDを、ATmega328にも供給します。

そして、変換器からリセットの信号を送れるように、RTSとATmega328のResetを、0.1uFのコンデンサを経由して接続します。

あとは、ATmega328のクロックとして、16MHzの水晶発振子を接続します。


今日はここまで。次回は回路設計に入ります。

学校のチャイムが鳴るLED時計の製作

先日、とあるアウトレットモールのガチャガチャコーナーで見つけた、学校のチャイムが鳴るキーホルダー。

衝動的につい回してしまいました。

詳しくはこちらに載ってました。

・カプセルトイ 学校のチャイム

[オタク向けカプセルトイ情報局]【5月再販】学校のチャイム

**カプセルトイ情報局様HPより画像引用**

だれもが青春時代に聞いていた、あの学校のチャイムを聞くことができるなつかしのカプセルトイです。

今回はこれをいろいろ改造し、以前電子工作マガジンで製作した、自作のLED時計と組み合わせ、家庭で本物のチャイムとして運用できるようにします。

組み合わせる自作LED時計

電子工作マガジン2021年春号 電波新聞社HPより画像引用

以前、電子工作マガジン2021年春号に掲載させていただいた、RTC搭載LED時計に組み合わせます。

詳しい作り方は、ぜひ電子工作マガジン春号をお買い求めください。

・amazon 販売ページ

[Amazon 電子工作マガジン2021年春号]

・電波新聞社HP

[電波新聞社 電子工作マガジン2021年春号]

この時計はArduinoを使用しているため、今回はArduinoのプログラムを少し変えて、時計にプログラムした時間に、チャイムを鳴らす機能を付けます。

学校のチャイムを分解

まずは、学校のチャイムを分解します。さて、どんな仕組みになっているでしょうか。

裏面にネジ穴が4つ開いていたので、まずは精密ドライバーで開封。

中は、こんな感じです。

思ったよりシンプルな構造になっています。

さすがは、300円のカプセルトイ。かなり簡素な設計でコストを抑えています。

中は、回路基板、スピーカー、電池BOX、磁石、だけしかありません。

基板にはほんとに何も載っていません。

写真右側にある黒い部品が、ICチップです。

これはおそらく小メモリのマイコンチップで、学校のチャイムが録音されており、それを再生するだけのシンプルなプログラムが組まれていると思います。

型番は、204HWCZ04と表記されていますがGoogleで検索してもなにもでてこないため、おそらくは中国の半導体メーカーにソフトウェアを特注で作らせているため、客先固有の型番が刻印されているのだと思います。

真ん中の黒い部品がタクトスイッチです。これは、プラスチックケースのボタンの丁度真下に来るように配置されており、ボタンを押すことでチャイムが作動します。

 

基板を展開したのが左図です。

写真左側の電池ボックスから電源を真ん中の回路基板に流します。左側の緑色の部品がスピーカーです。スピーカーの性能は、8Ω0.25Wの低電力向けの格安スピーカーです。おそらく原価は20円程度でしょう。

 

電池は、LR44が二つです。

なので、電源電圧は3Vで動作していることがわかります。

次に、基板を調べて、回路図に起こしました。

バッテリーは3Vで供給。電源に付いているコンデンサCは、パスコンと呼ばれ、電源ラインに乗っかってしまうノイズを除去し、マイコンの誤動作を防ぎます。

今回少し驚いたのが、スイッチがNPN型(押すとGNDに接続)ではなく、PNP型である点です。これは、改造に少し手間がかかりそうです。

また、スピーカーの出力が、片チャンネルではなく、スピーカーの両方の端子がICに直結していることです。

これは、おそらくBTL方式と呼ばれるスピーカーの駆動方式を採用していると思います。詳しくは、今度書こうと思いますが、低い電源電圧でもなるべく大きな音を出したいときによく使われます。この回路も、電源電圧が3Vと非常に低いため、苦肉の策でBTLが使われていると考えます。

 

学校のチャイムの改造

さて、ここからが本題です。

このチャイムを改造します。

やりたいことは、LED時計のArduinoからのデジタル出力で、チャイムを駆動させることです。

今回ややこしいのは、まず学校のチャイムのスイッチがPNP型であること。

そして、LED時計の電源電圧は、USBからの供給で5Vであり、学校のチャイムの電源電圧3Vと違っている点です。

つまり、LED時計のデジタル出力のHIGH電圧が5Vなのに対し、学校のチャイムのHIGH入力は最大3Vであるため、レベルシフトが必要な点です。

まずは、設計した回路図を示します。

今回は、トランジスタを二つ用いて改造します。

まず、チャイムを鳴らすためには、スイッチの両端を電気的にショートさせる必要があります。

そのために、PNPのトランジスタ(2SA1015)を使いました。トランジスタのベース電圧を2V以下にすることで、エミッターコレクタ間がショートし、ボタンを押したのと同様の状態になります。

また、ベース電圧を2V以下(0V)にするため、下側にNPNのトランジスタを入れます。

このNPNトランジスタをArduinoのデジタル出力によってON/OFFします。ArduinoのHIGH出力は5Vです。

そのため、間に1kΩの抵抗を挟みました。

 

学校のチャイムを加工する

まず、ケーブルを通す穴をあけます。

ケーブルを通す穴をあける
ケーブルを通す
トランジスタのリードを曲げる

その後、トランジスタのりードを曲げ、回路図通りに空中配線していきます。

PNPトランジスタを配線
NPN側も配線
LED時計のケーブルをつなぐ箇所
LED時計のプログラムを変更

下記が、変更後のプログラムです。

詳細は割愛します。

#include <DS3232RTC.h>//ライブラリーをインクルード
void setup() {
DDRD = DDRD | B11111100;      //D7 6 5 4 3 2 1 0 の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRB = DDRB | B00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRC = DDRC | B00000000;      //A* * 5 4 3 2 1 0の入出力設定(1で出力 0で入力)
pinMode(A0,INPUT_PULLUP);
pinMode(A1,INPUT_PULLUP);     //SW1タクトスイッチの入力設定(内部プルアップ)
pinMode(A3,OUTPUT); //Alartピンの出力設定
}
boolean Number_Array[10][7]={    //Number_Array[数字の数][セグ数]
{1,0,0,0,0,0,0},//0 {g,f,a,b,e,d,c}で入力。1がOFF,0がON(アノードコモンのため) 
{1,1,1,0,1,1,0},//1
{0,1,0,0,0,0,1},//2
{0,1,0,0,1,0,0},//3
{0,0,1,0,1,1,0},//4
{0,0,0,1,1,0,0},//5
{0,0,0,1,0,0,0},//6
{1,0,0,0,1,1,0},//7
{0,0,0,0,0,0,0},//8
{0,0,0,0,1,0,0} //9
};

//チャイムを慣らす時刻の設定(1日最大10回)
int alart[10]={
  600,
  610,
  700,
  9999,
  1900,
  2130,
  2200,
  9999,
  9999,
  825
};



//LED表示関数を定義
void Number(int x){
  int z[]={10,11,12,13,9,8,7};      //{g,f,a,b,e,d,c}で入力
  for (int seg=0; seg<=6; seg++){
    digitalWrite(z[seg],-Number_Array[x][seg]);
  }
}
void loop(){  
  PORTD |= 0b11111100;      //D7 6 5 4 3 2をHIGH(一旦非表示にする)
  PORTB |= 0b00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8をHIGH(一旦非表示にする)
  int com[]={6,5,3,2};      //COMポートを設定{comA,comB,comC,comD}
  int y[]={0,0,0,0};        //各桁に表示する数字の変数を宣言{時,時,分,分}
  int altime = 0;           //アラート時間であることを判定する時間の変数
  int al;
  
  
  tmElements_t tm;
  RTC.read(tm);
  y[0]= tm.Hour/10;           
  y[1]= tm.Hour%10;
  y[2]= tm.Minute/10;
  y[3]= tm.Minute%10;
  int dots = tm.Second%2;
  digitalWrite(4,dots);
  for(int i=0;i<=3;i++){        //ダイナミック点灯のループ
     digitalWrite(com[i],LOW);   //表示する桁を開ける
     int x=y[i];                 //その桁で表示する数字をxに代入
     Number(x);                  //xの数字を表示する
     delay(3);
     digitalWrite(com[i],HIGH);  //表示した桁を閉じる    
  }
  if(digitalRead(A0)==LOW){
      delay(250);
      if(digitalRead(A0)==LOW){
        setTime(tm.Hour+1, tm.Minute ,0,0,0,0);//時、分、秒、日、月、年の順で入力
        RTC.set(now());//初期設定時間の書き込み
      }
  }
  if(digitalRead(A1)==LOW){
      delay(250);
      if(digitalRead(A1)==LOW){
        setTime(tm.Hour, tm.Minute+1 ,0,0,0,0);//初期設定 時、分、秒、日、月、年の順で入力
        RTC.set(now());//初期設定時間の書き込み
      }
  }
//チャイムを鳴らす判定をするPG

  altime = 1000*y[0]+100*y[1]+10*y[2]+y[3];       //現在時刻を4桁の数字にしている

  
  for(int j=0; j <= 10; j++){
      if(altime==alart[j]){
        digitalWrite(A3,HIGH);
        delay(60000);
      }else{
         digitalWrite(A3,LOW);
      }
      
  } 
}
プログラムを書き込んで完成

実際の動作がこちらです。

光る試験管立て LA-01C

LA-01C(光るヒノキの試験管立て)
木曽ヒノキを使用した、光る試験管立てを作りました。
コルク付きの試験管にお花のハーバリウムを造れば、優しい色合いの光が幻想的に照らします。
また、コルクを外せば、一輪刺しとしてもお使いいただけます。
試験管をセットする土台は、木曽ヒノキを使用しております。

LA-01C本体1
LA-01C本体2

Creemaにて今後、販売を予定しております。


光るヒノキの試験管立て(木曽ヒノキ)【販売準備中】

型番; LA-01C

価格; 3880円+税

在庫; 0 個


★香りと質感の良い木曽ヒノキを使用
日本三大美林の一つに数えられている木曽ヒノキは、軽軟・肌目は緻密で特有の芳香と美しい光沢をもちます。耐湿、耐水性にも強く長持ちすることから、桧の中でも高級品として人気が高く、寺社建築をはじめ高級建築材としても使われています。また伊勢神宮では、木曽桧が式年遷宮の「御神木」として利用されています。

 

★試験管にお気に入りの花を飾ろう
試験管には何でも入れていただけます。お好きな花やドライフラワーなどを飾る、コルク栓を外して一輪刺しなどに使うこともできます。ガラス管はコルク栓で密閉出来ますので、液体なども可能です。ハーバリウムなどを作るのも良いでしょう。

★試験管はプロ仕様
付属の試験管は、化学実験向けの本格的な試験管を使用。耐久と耐熱に優れています。

★LEDは和風な色合い
本機では和風な色合いをベースに、紅梅色、薄桜色、橙色、女郎花色、青磁色、白藍色、瑠璃色、江戸紫色の計8色が、10秒間隔の自動で変化します。

 

★梱包内容
光る試験管立て本体 x 1 
ガラス試験管x1
試験管用コルク栓×1
USBケーブル 70 cm x 1 
ハーバリウムオイル(45mL) x1
説明書 x1  
**ハーバリウムの造花は付属しておりません**

仕様

項目内容備考    
型番 LA-01C
サイズ [本体];50mm×50mm×50mm(立方体)
[試験管];直径25mm 長さ100mm (平底試験管)
材質 [本体] 木曽ヒノキ(木材)
[試験管] ガラス(硬質1)
主機能 試験管の照光
色種類 紅梅色→薄桜色→橙色→女郎花色→青磁色→白藍色→瑠璃色→江戸紫色
(色は10秒ごとに順番に変化します。)
環境温度範囲 -20℃~40℃(できる限り涼しい環境でお使いください)
電源入力範囲 標準DC5V(USBを使用)
消費電力 最大1W(5.0V 200mA) 
付属ケーブル USB-TypeC 70cm(スイッチ付き)
本体の温度上昇 40℃以下(室温25℃時)
仕様

★購入の際の注意点
✔裏側の黒い回路基板は、最大60℃まで発熱いたしますが安全上問題ありません。

✔ヒノキの質感をお楽しみいただけるよう、本体外側にはコーティングや塗装などは一切しておりません。そのため日焼けや腐食は市販の木製製品より早く進みます。なるべく日陰に置いていただき、湿度の高い環境での使用はお控えください。

✔完全に手作りです。手作りの電子回路基板ですので慎重にご利用ください。

✔試験管はガラス製ですので破損にはくれぐれもご注意ください。

✔試験管立て本体に、水などがかからないようご配慮ください。

✔裏側は、黒い回路基板が露出した構造になっております。

ハンドメイドなため家電メーカーが製造する家電製品ほど、品質を保証しておりません。
なにか不具合等ございましたら下記にご連絡ください。
E-mail ; hiiragikoubou5883.gmail.com

光る試験管立てを設計する[基板編]

前回のつづきになります。

さっそく、kiCadを使って基板を作っていきます。

まず、回路図はこちらです。

試験管ランプの回路図

 

回路図をもとに、部品ライブラリを関連付けます。

部品の関連付け

さて、ここから配線をしていきますが、まずわからなければならないのが、基板サイズです。

 まずは、試験管立てから設計しました。

そこで、3D-CADで設計しました。

表面
裏面

ホームセンターで45mm×45mmの太さの木材を買い、これを100mm感覚で切り出せば簡単に確保できます。

木材は、35mmのホールソーで基板をはめる穴を裏から開けます。表からは、25mmのホールソーで試験管を差し込む穴をあけます。

2Dの図面を下記に示します。

LA-01図面

よって、基板を入れるサイズが直径35mmと決めましたので、基板サイズは直径34mmが丁度いいかなと思っています。

基板サイズがわかったので、さっそく基板設計です。

基板設計の手順は改めてまとめたいと思います。参考にしてのは下記のサイトです。

kicadの教科書

基板は、2層基板で設計しています。

基板の内容を下図に示します。基板の給電はUSB-typeCから行います。

また、電源、色切替、明るさ調節などは、すべて一個のホームボタンに集約しました。

あとは、ソフトを書き込む端子と、今後、同じ製品内で、2,3か所光るポイントが増えたときに、同じ基板を複数連携させて動かしたいので、今後のために、信号の入力端子と出力端子を用意しました。あとは、基板を固定させるためのネジ穴Φ3.2を二か所に開けてあります。

基板の詳細

表面と裏面はこんな感じです。基板の表面の真ん中がポッカリとスペースが開いています。ここに、フルカラーLEDを置きます。

基板(裏面)
基板(表面)

これを、2次元図面にすると下図になります。

基板表面

 

基板裏面

図面が出来たら、現物確認をします。

図面を実寸大で印刷して、実際に部品を上に置いてサイズが合っているかを確認します。

これで、設計完了です。次回は基板を業者に発注します。

光る試験管立てを設計する[回路編]

さっそく、光る試験管立ての設計をしていきます。

製作するものは前回のブログにもしめした、光る試験管立てです。

試験管を光らせたい

まずは、ブロック図を描きました。

ブロック図

試験管を、フルカラーLEDを用いて、カラフルに光らせたいと思います。フルカラーLEDは、Red Green Blueの三原色のLEDの明るさを調節することで、どんな色にも調節することが出来ます。また、光はそこそこ強い光を出したかったので、オプトサプライ社が出している、最大出力1WのハイパワーフルカラーLED(OSTCWBTHC1S)を採用しました。そのため、マイコン直結では電流が足りないため、NchのMOSFETを間に挟みます。

今回は、基板の面積をかなり小さくしなければならないため、極小のマイコン ATtiny202を使用しました。

ATTiny202の仕様を簡単にまとめました。これがなんと一個40円。破格の安さです。

・電源電圧:1.8~5.5V
・コア:tinyAVR
・コアサイズ:8bit
・命令長:16bit
・クロック:20MHz
・プログラムメモリ:2kB
・EEPROM:64B
・RAM:128B
・GPIO:6pin
・ADコンバータ:6Ch
・UART/USART:1Ch
・I2C:1Ch
・SPI:1Ch
・タイマ:2Ch(16bit×2)
・パッケージ:SOP8

マイコンのサイズ(秋月電子HPより)

メモリー容量は、2kBしかありません。テキスト文字だと3000文字程度でしょうか。とても少ない容量なので、書き込めるブログラムも単純なものしかできません。ですが、3色のLEDを光らせる程度であればこれで十分でしょう。

 

つぎに、LEDです。

LEDは、三原色が入ったフルカラーLEDを採用しました。

・標準電流:150mA
消費電力: 1W

・VF
赤…2.5V
青、緑3.3V
・ΦV
赤…22ルーメン
緑…35ルーメン
青…12ルーメン
・λD
赤…624nm
緑…525nm
青…460nm
・2θ1/2:120°

秋月電子HPより引用

 

出力電力は1W 。標準電流は150mAという高輝度。とてもまぶしいです。

まずは、回路図を書いてみました。

LA-01 回路図

今回使用するLEDは、電流値がとても高いため、マイコンの出力端子に直接接続して動作させることは難しいです。

そのため、各LEDにはNチャンネルのMOSFETを接続し、制御できる電流値を増やします。

LEDの明るさはマイコンからのPWM信号によって調整します。

次にLEDの制限抵抗(R5,R8,R11)の抵抗値を計算します。

FETが完全にONになった場合、FETを省略して、回路は抵抗とLEDだけにすることが出来ます。

必要な情報は、LEDの標準電流と電圧です。

IF=150mA  VF:赤…2.5V  青、緑3.3V

電源電圧からLEDのVfを引き算した値が、抵抗の端子間電圧になります。抵抗にも、LEDにも150mAの電流を流すわけですから、制限抵抗の抵抗値は、

青;  R=V/I = 1.7V / 150mA = 11.33[Ω]

緑;  R=V/I = 1.7V / 150mA = 11.33[Ω]

赤;  R=V/I = 2.5V / 150mA = 16.66[Ω]

となります。

しかし、こんなぴったりな抵抗値の抵抗器はありませんから、E24系列に存在する抵抗値で一番近いものは、

青;  11.33[Ω]=10Ω

緑;  11.33[Ω] =10Ω

赤;  16.66[Ω] =15Ω になるでしょうか。

次に、この抵抗値を適用した場合の実電流を計算します。

青;  実電流 If [mA] = V/R = 1.7 / 10 =170 [mA]

緑;  実電流 If [mA] = V/R = 1.7 / 10 =170 [mA]

赤;  実電流 If [mA] = V/R = 2.5 / 15 = 166[mA]

この電流値が、LEDの定格電流以下であることをデータシートから確認します。

LEDのデータシート

LEDの直流定格は、200mAであるため、余裕があります。また、本機はPWMのパルス制御をするため、PluseForward Currentを使用します。すると定格は250mA。抵抗の誤差分を考慮しても十分余裕があるかと思います。

実際は、FETの損失が加わるため、端子間電圧は低めに出るはずです。

次に、抵抗の損失を計算します。

青;  抵抗(青)の損失 Pr [W] = V * If = 1.7 V*170mA = 289 [mW]

緑;  抵抗(緑)の損失 Pr [W] = V * If = 1.7 V*170mA = 289 [mW]

赤;  抵抗(赤)の損失 Pr [W] = V * If = 2.5 V*166mA = 415 [mW]

となります。赤だけ損失が大きいですね、、、。

以上から、選定する抵抗は、0.5W定格以上のものを使用するのが良いかと思います。

次に、FETの選定です。

FETのドレインソース間には、最大で170mAの電流が流れているわけですから、それ以上のドレイン電流を流せる必要があります。金額や性能的に、BSS138を選びました。

BSS138 (秋月より引用)

 

 

・構造:MOSFET
・回路数:1
・チャネル:N
・ドレイン・ソース間電圧:50V
・ゲート・ソース間電圧:±20V
・ドレイン電流(DC):300mA
・ドレイン・ソース間オン抵抗:1.6Ω
・許容損失(25℃):350mW
・パッケージ:SOT-23

次に、FETの損失を求めます。

FETの損失をLTSpiceでシミュレーションしました。本当は、BSS138のSpiceモデルでできればよかったのですが、うまく追加できなかったので、RdsやVdsが近い値のFETでシミュレーションしました。

シミュレーション結果

ここから、IdsとVdsを掛け算した、電力のジュール積分値は、44.49uJ

PWMのパルスは500Hzなので、500*44.49u = 22.24 mW

このFETの熱抵抗θjcは、350℃/Wです。

周囲温度25℃の場合のジャンクション温度は、Tj = 25+(350 ×0.02224) = 32.78 ℃。

最大電流でも、+7.78℃の温度上昇なので、あまり影響がないと考えます。

回路図

よって、この回路図で決定します。次は、これをもとに基板を設計します。ではまた。

コルク瓶フラワーデジタル時計を作る2

前回のブログの続きになります。

さて、発注した基板が届きました!

基板はメイン基板が10枚、サブ基板が40枚です。

このように、ちゃんとパック詰めで届きます。

結構しっかりできています。

このように部品をはんだづけしていきます。

はんだが予め印刷されているのでとてもつけやすくなっています。

LEDをはんだづけしたら、かなりそれっぽくなりました。

基板を瓶に詰めて造花でアレンジするとこんな感じになりました。

悪くないんじゃないかなという感じです。

暗闇でもそれはそれで味が出ています。

今回の工作はかなり満足です。初めて基板発注してみて、案外簡単にできたので、これからは基板は作らずに発注します。

また、基板があと9枚、余ってしまったので、これは近々、完成品をハンドメイドサイトで販売しようと思います。

5月初旬には準備しますのでよろしくお願いします。

コルク瓶フラワーデジタル時計を作る1

以前、瓶詰めのLED時計を製作しました。実際に作ってみてすごくテンションが上がったので、

今回は、それをもっと本格的に製作したと思います。

前回作った時計を下記に置いておきます。

https://hiiragikoubou.com/index.php/2021/01/28/bottleled/

さて、本格的に作るとは具体的には、プリント基板を発注するということです。

先日、基板を発注してみたい とブログを挙げましたがこれを、瓶詰め時計でやってみようと思います。

ということでまずは、時計の基板を設計していきます。

基板を作るための手順は以下の通りです。

  • 基板CADで基板を設計する
  • 基板を発注するデータを作成する(ガーバーデータを作る)
  • 基板を発注する(Fusion PCB)
  • 基板がとどく(10日くらい)

といった手順になります。

基板CADで基板を設計する

私が使っている基板設計CADは、KiCadです。

このCadを使っている理由は、フリーソフトであることと、初めて学んだCADが、KiCadだったからです。

他のCadとしては、Eagle CADが有名です。これもフリーソフトでライブラリが充実しています。

また、一昔前はあったフリー版のEagleではサイズ制限(100*80mm)があったので制限のないKiCadが有利だったのですが、今は無いようです。

KiCadでの基板設計手順は下記です。

  • Eeschema(回路図作成エディター)で回路図をつくる
  • CvPCB (フットプリントの関連付け)で回路図の部品と基板の部品データ(フットプリント)を関連付ける
  • Pcbnew(基板設計エディター)で基板の配線をデザインする

Eeschema(回路図作成エディター)で回路図をつくる

まずは、回路図を作成してください。これが基板CADの大きな特徴です。回路図が先にできていれば、部品の接続関係がわかることになります。あとは、各回路記号に部品を当てはめておくことで基板を楽にデザインすることが出来ます。

エディターの画面はこんな感じです。

ほんとうにA4の紙に回路を描いていく感じになります。

詳細な使い方は、時間があれば今後ブログを書きたいかなと思います。

参考として、使い方のわかりやすいページを貼っておきます。

[KiCadことはじめ]

http://kicad.jp/translate/getting_started_in_kicad.pdf

回路記号でも部品のライブラリは豊富です。例えば、ATmega328と検索をかけると、

10種類程度の種類がでます。これは、QFPパッケージやDIP形など様々そろっています。

こうして、たくさん配線していって、

最終的にこのような配線になりました。

省略記号を多用していて、一見わかりづらいですが、基板を設計するという目的にはとても合理的な書き方だと個人的に思っています。ジャンパを省略することで、接続関係をすぐわかることが出来ます。よくある全部線でつながれた回路図だとたどるのが大変で接続関係のチェックが大変だと思います。

CvPCB (フットプリントの関連付け)

回路図が出来たら、次にフットプリントの関連付をします。これは書いた回路図と実際の部品データ(フットプリント)を関連付けます。

画面はこんな感じです。

画面は3列構成です。一番左が選ぶフットプリントの分類。真ん中が、回路図に置かれた部品のリスト。右が関連付けるフットプリントです。

このKicadのすごいところは、3Dデータが充実してることです。

右が関連付けるフットプリント。左が3Dデータです。1608サイズのチップコンデンサですが、結構リアルに作られています。

これらを参考にしながらフットプリントを1個ずつ関連付けます。とくにここで気をつけたいのがピンの配置です。フットプリントには必ず番号が振られており、回路図のピンにも番号があります。電子工作をある程度したことある人ならわかると思いますが、部品によってピンの配置が異なります。トランジスタ一つとっても、ECBと並ぶものやBECと並ぶものなど様々なので、最終的にはデータシートと照合してください。

基板設計で一番ミスしやすいのはこのフットプリントの関連付けです。

Pcbnew(基板設計エディター)

次に、基板をデザインしていきます。

基板デザインは、書き出すときりがないので別でまとめようと思います。

さっき関連付けたフットプリントが置かれ、回路図に従ってラッツネットという白い線が入ります。

このラッツネットを参考に線をつないでいけば、配線が完了します。

もちろん、3Dで見ることもできますし、3Dで出力して他の3DCADで開くこともできます。

基板を発注するデータを作成する

次に、基板を発注するデータ(ガーバーデータ)を作ります。

製造ファイル出力を選ぶと、下記のような画面で出力できます。詳しくは、発注先の基板メーカーのやり方に従ってください。

主に出力するのは下記の10個です。

  • F.Cu    表面の配線
  • B.Cu    裏面の配線
  • F.paste   表面のフットプリント
  • B.paste   裏面のフットプリント
  • F.silk    表面のシルク印刷
  • B.silk    裏面のシルク印刷
  • F.mask   表面のレジスト(絶縁)
  • B.mask   裏面のレジスト(絶縁)
  • Edge.Cuts  基板外形カット
  • ドリルデータ 部品穴のデータ

上記のデータが最低限必要になります。

ドリルデータの生成

あとは、この出力したデータを基板メーカーに送るのみです。

基板を発注する(Fusion PCB)

基板は、FusionPCB(seedstudio)に発注します。

【FusionPCB】

https://www.fusionpcb.jp/fusion_pcb.html

ここで先ほどの基板のガーバーデータをアップロードし、条件や個数を入力すると、

これで見積もりをかけると。

17$、およそ2000円で作ることができます。中国なので、日本への送料はおよそ12$程度。総額で3500円程度で作ることができます。

つい、一昨日注文したばかりなので届いたらまたレビューしようと思います。

樽型Bluetoothスピーカーの製作

前回の記事にて、樽型の電源装置を製作しました。今回はその、樽シリーズの第二弾!。樽型のBluetoothスピーカーに挑戦してみました.

今回も、思い付きから作りはじめ、その日の内に完成させました。今回も、電子工作要素はほとんどありません。実は、スピーカーこそ大きいですが、それ以外の回路部分はすべて市販品から持ってきました。

使った市販品が、ダイソーのbluetoothスピーカーです。600円と大変安いですがちゃんと接続することができ、思った以上に大きい音量と、問題ない音質です。

 写真2 ダイソーのBluetoothスピーカー


  

  • ダイソーのBluetoothを分解

まずは、ダイソースピーカーを分解します。

写真3 卵型のデザイン

ダイソースピーカーは、防滴のため、シリコンカバーでおおわれています。このカバーは、簡単にこじ開けることができます。

シリコンカバーを外すと、下側に4つのネジ穴があるので、ドライバーを回してあけます。すると写真3のような基板が出てきます。

写真4 ダイソースピーカーを分解

                                        

    写真5 ダイソーBTスピーカー基板の主な回路

                              

これを、ユニバーサル基板に組み付けます。

まず、リチウムイオン電池をホットボンドで基板に貼りつけてしまいます。

 基板には、樽と固定するためのL字のナットをはんだ付けしておきます。

スピーカーは、もっと大きくて音質の良いものに変えてみました。

また、樽にもぴったりサイズです。

樽は、味のある色にするため、百均のニスを塗っておきました。

また、樽の下には、USB端子の穴や、ネジ穴をあけておきます。

 基板を写真のように差し込み、ネジ留めします。

 さいごに、スピーカーをはめてネジで止めれば、完成です。

樽型電源装置の製作

最近、実験装置を見て思うことがあります。

それは、「実験用の装置(電源装置とか、FGとか、オシロとか)って、なんでこんなに見た目がダサいのか」と。

そんな思いから、見てくれを優先した電源装置を二日で作ってみました。

以下、作り方を紹介します。

写真1 これが樽型電源装置だ 

部材について

樽は、カインズホームセンタで最近話題のおしゃれなDIY用品「kumimoku」シリーズのコーヒー樽大です。

写真2 カインズでみつけた樽

この樽に、蛇口のようなものを付け、蛇口をひねるように電圧を調節できたらと思いました。

次に回路面での検討です。

今回は、あくまでデザイン優先。短期間で製作したかったため、細かい回路設計はしたくありませんでした。そこで、主要な回路はある程度モジュールとしてまとまっており、コンデンサや端子などを外付けするだけの回路にしました。写真3が使用する部品です。

写真3 使用する部品

詳細な部品表を下記にpdfでも示します。

TR-01 の部品表

PDFはここからお願いします。

DCDCコンバータモジュールについて

電圧変換として、新電元製の可変定電圧レギュレターを使用しました。これは、出力電圧のフィードバック量を可変抵抗で調節することで、出力電圧を任意の値に調節することができます。

回路図

回路図を下記に示します。ほとんどが電源ICにまとまっているので、とてもシンプルです。スイッチングノイズ除去用の電解コンデンサ(C1,C4,C5)と発振止め用のコンデンサ(C2,C3)をとりつけ、フィードバック電圧を変える可変抵抗と補助の抵抗を付けるだけです。P1の端子には、可変抵抗の三端子をそのまま接続します。

TR-01の回路図

作ってみよう

それでは、さっそく作っていきます。

まずは、回路図通りに基板に部品をはんだ付けします。ユニバーサル基板の配線方法や、回路図の読み方を近々、下記に掲載しますので、こちらをご参考下さい。

写真5 電源基板
写真6 基板裏の配線

次に、樽のフロントパネルを作ります。フロントパネルには、加工が容易な点からコルクシートを使いました。

写真7 コルクの板を切ります
写真8 丸く切る

真ん中に、26mm口径の穴と、電圧計用の穴をカッターで開けましょう。

外郭は、ある程度適当でも大丈夫です。樽にはめるときに、その隙間がうまります。

次に、蛇口を作ります。

写真9 塩ビ管をカットする

塩ビ管を写真9のようにカットします。長さは大体で良いです。

写真10 可変抵抗を入れる穴をあける

電動ドライバーで、写真10の位置に直径8mm程度の穴をあけます。

スイッチ付きの可変抵抗にケーブルをはんだ付けします。写真の場合、黄色がスイッチ、赤茶黒が可変抵抗の線です。

写真11 可変抵抗にケーブルをはんだ付けしておく

次に、可変抵抗を塩ビ管の出口からいれます。そして、あとで出力端子につなぐ赤黒のケーブルを通しておきます。

写真12 可変抵抗を押しこむ

可変抵抗のノブの部分は、頭の穴からだし、ケーブルは、可変抵抗につながる所は、管の長い方から出します。

写真13 蛇口の配線

通しておいた、赤黒のケーブルに出力端子をはんだ付けしておきます。

写真14 出力端子をはんだづけ

このままでは、可変抵抗も端子もグラグラしてしまうので、モールドをします。

モールドに使うのは、ダイソーで売られている、グルーガンとグルースティックです。

管の隙間から注入し、最後は、写真17のようにすべて埋めてしまいます。

写真15 グルーガンとグルースティック
写真16 隙間から注入
写真17 すめてモールドで埋める

そして、樽も塩ビ管もこの色のままではダサいので、樽は、水性ニス、塩ビ管はブラウンの塗料で塗ります。

写真18 塗料で塗る
写真19 ツマミを付けると一気にそれっぽくなります

次に、コルク板にパイプを差し込み、基板と配線をします。

写真20 配管を差し込む
写真21 基板と接続

DCジャックとヒューズは、裏面につけました。

写真22 DCジャックとヒューズ

最後に、フロントパネルを樽に押し込めば完成です。

写真23 完成

どんなものも思い通りに作れるのが電子工作の楽しみと言えます。樽型電源装置を、ぜひ作ってみてください。

ドキュメント[試験管を光らせる LA-01]

試験管を光らせる LA-01

ドキュメント    内容           リリース日付
①回路図本品の電気回路の配線を図式で表します。LA-01_1X circuit.pdf2021.6.4
②基板図(表面)回路基板表面の図面、実寸大をA4示します。LA-01_1XTOP.pdf 2021.6.4
③基板図(裏面) 回路基板裏面の図面, 実寸大をA4示します。 LA-01_1XBOTTOM.pdf 2021.6.4
④ガーバーデータ基板発注時の基板データを示します。
⑤部品表使用している部品の型番、価格、仕入先を示します。LA-01-1X-part.pdf 2021.6.4
⑥プログラムコード本品に書き込まれているプログラムを示します。
⑦構造図面本体の構造を二次元図面で示します。 2021.6.4
⑧設計書回路設計過程を示します。
ドキュメント一覧

①回路図 [設計版]

本品の電気回路の配線を図式で表します。

 

②基板図(表面)

回路基板表面の図面を示します。

 

③基板図(裏面)

回路基板裏面の図面を示します。

 

④ガーバーデータ

基板発注時の基板データを示します。

⑤部品表

使用している部品の型番、価格、仕入先を示します。

⑥プログラムコード

本品に書き込まれているプログラムを示します

⑦構造図面

本体の構造を二次元図面で示します。

 

⑧設計書

回路設計過程を示します。