最近、実験装置を見て思うことがあります。
それは、「実験用の装置(電源装置とか、FGとか、オシロとか)って、なんでこんなに見た目がダサいのか」と。
そんな思いから、見てくれを優先した電源装置を二日で作ってみました。
以下、作り方を紹介します。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真1-1024x890.jpg)
部材について
樽は、カインズホームセンタで最近話題のおしゃれなDIY用品「kumimoku」シリーズのコーヒー樽大です。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/IMG_20190614_193948-910x1024.jpg)
この樽に、蛇口のようなものを付け、蛇口をひねるように電圧を調節できたらと思いました。
次に回路面での検討です。
今回は、あくまでデザイン優先。短期間で製作したかったため、細かい回路設計はしたくありませんでした。そこで、主要な回路はある程度モジュールとしてまとまっており、コンデンサや端子などを外付けするだけの回路にしました。写真3が使用する部品です。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真3-1024x670.jpg)
詳細な部品表を下記にpdfでも示します。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/部品表.png)
PDFはここからお願いします。
DCDCコンバータモジュールについて
電圧変換として、新電元製の可変定電圧レギュレターを使用しました。これは、出力電圧のフィードバック量を可変抵抗で調節することで、出力電圧を任意の値に調節することができます。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真8-1024x768.jpg)
回路図
回路図を下記に示します。ほとんどが電源ICにまとまっているので、とてもシンプルです。スイッチングノイズ除去用の電解コンデンサ(C1,C4,C5)と発振止め用のコンデンサ(C2,C3)をとりつけ、フィードバック電圧を変える可変抵抗と補助の抵抗を付けるだけです。P1の端子には、可変抵抗の三端子をそのまま接続します。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/第1図.png)
作ってみよう
それでは、さっそく作っていきます。
まずは、回路図通りに基板に部品をはんだ付けします。ユニバーサル基板の配線方法や、回路図の読み方を近々、下記に掲載しますので、こちらをご参考下さい。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真10-1024x768.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真12-1024x684.jpg)
次に、樽のフロントパネルを作ります。フロントパネルには、加工が容易な点からコルクシートを使いました。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真15-1024x768.jpg)
![](http://okazakilab.com/wp-content/uploads/2019/06/%E5%86%99%E7%9C%9F17-1024x768.jpg)
真ん中に、26mm口径の穴と、電圧計用の穴をカッターで開けましょう。
外郭は、ある程度適当でも大丈夫です。樽にはめるときに、その隙間がうまります。
次に、蛇口を作ります。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真19-1024x768.jpg)
塩ビ管を写真9のようにカットします。長さは大体で良いです。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真21-1024x768.jpg)
電動ドライバーで、写真10の位置に直径8mm程度の穴をあけます。
スイッチ付きの可変抵抗にケーブルをはんだ付けします。写真の場合、黄色がスイッチ、赤茶黒が可変抵抗の線です。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真23-768x1024.jpg)
次に、可変抵抗を塩ビ管の出口からいれます。そして、あとで出力端子につなぐ赤黒のケーブルを通しておきます。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真25-768x1024.jpg)
可変抵抗のノブの部分は、頭の穴からだし、ケーブルは、可変抵抗につながる所は、管の長い方から出します。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真27-1024x1024.jpg)
通しておいた、赤黒のケーブルに出力端子をはんだ付けしておきます。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真31-1024x1024.jpg)
このままでは、可変抵抗も端子もグラグラしてしまうので、モールドをします。
モールドに使うのは、ダイソーで売られている、グルーガンとグルースティックです。
管の隙間から注入し、最後は、写真17のようにすべて埋めてしまいます。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真33-1024x768.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真34-1024x768.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真36-1024x1024.jpg)
そして、樽も塩ビ管もこの色のままではダサいので、樽は、水性ニス、塩ビ管はブラウンの塗料で塗ります。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真39-1024x1024.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真42-1024x832.jpg)
次に、コルク板にパイプを差し込み、基板と配線をします。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/P1140283-1-1024x768.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/写真43-1024x768.jpg)
DCジャックとヒューズは、裏面につけました。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/P1140283-1024x768.jpg)
最後に、フロントパネルを樽に押し込めば完成です。
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/P1140313-1024x768.jpg)
![](https://hiiragikoubou.com/wp-content/uploads/2021/02/P1140307-1024x896.jpg)
どんなものも思い通りに作れるのが電子工作の楽しみと言えます。樽型電源装置を、ぜひ作ってみてください。