最近、実験装置を見て思うことがあります。
それは、「実験用の装置(電源装置とか、FGとか、オシロとか)って、なんでこんなに見た目がダサいのか」と。
そんな思いから、見てくれを優先した電源装置を二日で作ってみました。
以下、作り方を紹介します。
部材について
樽は、カインズホームセンタで最近話題のおしゃれなDIY用品「kumimoku」シリーズのコーヒー樽大です。
この樽に、蛇口のようなものを付け、蛇口をひねるように電圧を調節できたらと思いました。
次に回路面での検討です。
今回は、あくまでデザイン優先。短期間で製作したかったため、細かい回路設計はしたくありませんでした。そこで、主要な回路はある程度モジュールとしてまとまっており、コンデンサや端子などを外付けするだけの回路にしました。写真3が使用する部品です。
詳細な部品表を下記にpdfでも示します。
PDFはここからお願いします。
DCDCコンバータモジュールについて
電圧変換として、新電元製の可変定電圧レギュレターを使用しました。これは、出力電圧のフィードバック量を可変抵抗で調節することで、出力電圧を任意の値に調節することができます。
回路図
回路図を下記に示します。ほとんどが電源ICにまとまっているので、とてもシンプルです。スイッチングノイズ除去用の電解コンデンサ(C1,C4,C5)と発振止め用のコンデンサ(C2,C3)をとりつけ、フィードバック電圧を変える可変抵抗と補助の抵抗を付けるだけです。P1の端子には、可変抵抗の三端子をそのまま接続します。
作ってみよう
それでは、さっそく作っていきます。
まずは、回路図通りに基板に部品をはんだ付けします。ユニバーサル基板の配線方法や、回路図の読み方を近々、下記に掲載しますので、こちらをご参考下さい。
次に、樽のフロントパネルを作ります。フロントパネルには、加工が容易な点からコルクシートを使いました。
真ん中に、26mm口径の穴と、電圧計用の穴をカッターで開けましょう。
外郭は、ある程度適当でも大丈夫です。樽にはめるときに、その隙間がうまります。
次に、蛇口を作ります。
塩ビ管を写真9のようにカットします。長さは大体で良いです。
電動ドライバーで、写真10の位置に直径8mm程度の穴をあけます。
スイッチ付きの可変抵抗にケーブルをはんだ付けします。写真の場合、黄色がスイッチ、赤茶黒が可変抵抗の線です。
次に、可変抵抗を塩ビ管の出口からいれます。そして、あとで出力端子につなぐ赤黒のケーブルを通しておきます。
可変抵抗のノブの部分は、頭の穴からだし、ケーブルは、可変抵抗につながる所は、管の長い方から出します。
通しておいた、赤黒のケーブルに出力端子をはんだ付けしておきます。
このままでは、可変抵抗も端子もグラグラしてしまうので、モールドをします。
モールドに使うのは、ダイソーで売られている、グルーガンとグルースティックです。
管の隙間から注入し、最後は、写真17のようにすべて埋めてしまいます。
そして、樽も塩ビ管もこの色のままではダサいので、樽は、水性ニス、塩ビ管はブラウンの塗料で塗ります。
次に、コルク板にパイプを差し込み、基板と配線をします。
DCジャックとヒューズは、裏面につけました。
最後に、フロントパネルを樽に押し込めば完成です。
どんなものも思い通りに作れるのが電子工作の楽しみと言えます。樽型電源装置を、ぜひ作ってみてください。