前回、ブロック図で設計した回路ブロックの、回路設計に入ります。
前回示したブロック図を下記に示します。
ここで設計要素がある回路ブロックは、3つ。Audio Amplifier、Power Regulator、VU meter driverの三つです。
まず、設計したアンプの回路図を示します。
Audio Amplifer(オーディオアンプ回路)
まず、アンプの回路です。
今回は、細かい設計をしなくて済む、アンプ用ICを使いました。
ICは、PAM8304です。
D級パワーアンプIC PAM8304ASR
■主な仕様
・電源電圧:2.8~6V
・出力:
3W typ(5V・4Ω)
1.75W typ(5V・8Ω)
・ゲイン:300000/Rin
(Rin=10kΩなら30倍)
・無信号時消費電流:5mA typ(VDD=5V)
・効率:93% typ(RL=8Ω、THD=10%)
・パッケージ:0.65mm、MSOP8
**秋月電子HPより引用**
回路は、ここのデータシートに記載されている参考回路を使いました。抵抗値やコンデンサは、感覚的に決めました。
SD(シャットダウン)の端子は、プルアップしないと停止してしまうので、プルアップにしています。
VU meter (VUメータ―回路)
次に、VUメーターの回路です。
VUメータは、いわば直流の電流計です。音声信号を直接入力するのではなく、オペアンプで増幅して、ダイオードで整流(交流から直流に変換する)して、抵抗で電流を調節してVUメータに流します。
オペアンプには、汎用的に使えるNJM4580を使いました。
Power Regulator Circuit
次に電源回路です。
アンプICPAM8304の電源電圧が最大6Vなので、5Vの定電圧を流せる回路が必要になります。
回路は3端子レギュレターの一般的な回路です。C4とC5が発振防止のコンデンサ。C6がリップル除去用です。また、R5とC9でRCのローパスフィルタにもなっています。
三端子レギュレーター 5V1.5A TO-252 NJM7805SDL1
■主な仕様
・出力方式:シリーズ
・出力正負:正電源
・入力電圧:~35V
・出力電圧:5V
・最大出力電流:1.5A
・ドロップアウト電圧:2.2V
・許容損失:1190mW
・リップル除去比(PSRR):78dB
・パッケージ:TO-252
**秋月電子より引用**
最後に、全体の回路図を示します。
次回は、この回路の基板設計を行います。