Maker Faire Tokyo2022 に出展してきました

昨日、本日と、二日間。東京のビックサイトで開催された、ものづくりの祭典「Maker Faire Tokyo」に出展してきました。

団体名は、ボトルサーキットでおなじみ、Kimio Kosakaさんの「O’Baka Project」に参画し、共同出展という形で、「O’Baka Project 柊分科会」として出展しました。

ちなみに、お世話になっているKimio Kosakaさんも、ボトルサーキットをはじめとして、様々な作品を作られています。ぜひ、KosakaさんのHPもご覧ください。


kosakalab

ボトルサーキット

ボトル・サーキットを見てニコッとされる,みなさんのお顔が素敵でした。

さて,2日間の概算カウントで150名近い方とお会いし,感想・ご意見・新たなアイデアなど色々なお話をいただきました。自分の思考の範囲の超えたお話が多く,少し視界が広がったような気がします。


さて、今回のMaker Faireは、コロナ後初の対面開催となり、ひさしぶりにメイカーの熱気を感じることができました。

みんな、コロナ禍で作品をあたためていたのか、今回はレベルが高い出展が多い印象でした。

私が出展した作品は、下記の3つです。


瓶づめマトリックス時計

電光掲示板でおなじみの、LEDマトリックスを、コルク瓶の中におさめた時計を製作しました。全て空中配線で構成しています。


ガラス瓶LED時計

コルク瓶に自作のデジタル時計をつめこんだ、おしゃれな時計を作りました。この時計は、はんだづけからプログラミング、装飾、プリント基板づくりにいたるまで、一から作っています。


消しゴムレーザーポインタ

皆さんは消しゴムを加工したことがあるでしょうか。中学生の頃、退屈な授業中に、消しゴムを加工して中に機械やらコンピュータを隠したスパイグッズのようなものを作りたいと考えたものです。


どれも,お客さんの反応は上々でした。

とくに、ガラス瓶時計への反応がとてもよく、売ってほしいとの声も多くあがりました。

実は、このHPをさかのぼって見ていただいた方はお気づきかもしれませんが、過去に販売をしていた時期がありました。

しかし、当時は宣伝するすべもなく、結局売れないまま、自信だけを無くして、休止しておりました。

今回、ひょんなことからMaker Faire Tokyoに出展することができ、見に来ていただいた皆様の反応や、

売ってくださいとのお声に、とても救われた二日間となりました。

これから、販売再開にむけて準備をしてまいりますので、今しばらくお待ちください。

これを、きっかけに、また新たな作品づくりにも邁進していこうとおもいます。

今後とも、是非よろしくお願いします。

以下は、MFTの写真ギャラリーとします。



消しゴムレーザーポインタを作ろう

皆さんは消しゴムを加工したことがあるでしょうか。中学生の頃、退屈な授業中に、消しゴムを加工して中に機械やらコンピュータを隠したスパイグッズのようなものを作りたいと考えたものです。

今回は、消しゴムを加工して、レーザーポインタを埋め込もうと思います。秋月電子では、レーザーポインタのモジュールが380円で販売されています。これと、10円のタクトスイッチ、100円の消しゴムがあれば、レーザーポインタがたったの500円でできます。ぜひ、作ってみましょう。

写真1;これが消しゴムレーザーポインタだ
写真2;レーザーモジュールが秋月で380円

レーザーのしくみ

写真3;レーザーモジュール

レーザー光は指向性にすぐれ、明るい小さなスポットとして照らすことができるからです。

レーザーの光源は半導体レーザーです。半導体レーザーはレーザーダイオード(LD)とも呼ばれるため、発光ダイオード(LED)と混同されたりしますが、両者が放つ光は大きく異なります。発光ダイオードは“自然放出”、半導体レーザーは“誘導放出”という原理によるものです。自然放出の光(自然界の光やLEDの光など)は、波長が一定でも位相や波形がそろっていない光です。そのため、距離が長いほど光が拡散してしまいポインタのように集まりません。

一方、レーザー光は原色の波長を使うことと、結晶のレンズで集光させることで、位相も波形をそろえることで、まっすぐで拡散しない光を作ることができます。


さっそく作ってみよう

さっそく、消しゴムレーザーポインタを作りましょう。第1図が回路図です。レーザーは、使い方が難しいように思えますが、豆電球などと同じで、電池をつなぐだけで光ります。コイン電池にはCR2032、ボタンは、秋月で販売されている1cm角のスイッチを使いました。第2図の寸法で消しゴムを加工し、第3図のように取り付けます。

第2図;加工図面
第3図;部品の取り付け位置
第4図;表面
第5図;裏面

まず、第2図の寸法を消しゴムに書いていきます<写真4>。寸法に忠実になる必要はありません。部品を実際においてなぞるのもよいでしょう。表面、裏面はこのようにかきました<写真5><写真6>。

写真4本体に線をひいていく
写真5;表面
写真6;裏面
写真7;使用したルーター
写真8 ルーターで消しゴムを削っていく

消しゴムを掘るのは、彫刻刀などでもできますが、ケガしやすいのと力加減が難しいので、ルーターを使うことにしました。

まともなルーターはとても高価(1万円くらい)しますが、加工対象は消しゴムですから、そんなに高いものはいりません。近所のホームセンターで販売されていた電池式のもの(700円程度)を使います。これでも、消しゴムでしたら十分削れます。ケガに注意して削りましょう<写真8>。

少し削っては、部品をおいて深さを確かめ、また削るを繰り返します<写真9>。電池側も同じように削ります<写真10><写真11>。

写真9;実物でサイズを確認
写真10;さらに削る
写真11;実物で確認

削っている様子は、冒頭の動画にも詳しく載せますのでそちらもぜひ見てください。

写真12 不要な突起を切り落とす
写真13 切り落としたスイッチ

スイッチには突起がついています。消しゴムの厚さは11mmしかないので、これがあると収まりが悪いですので、ニッパーで切り落としてしまいましょう<写真12>。切り落とすと写真13のようになります。すこし表面が汚くなりますが、消しゴムのカバーに隠れるので問題ないです。

レーザーモジュールのケーブルは4cm程度に切り、ひふくを剥きます<写真14>。 上側の貫通穴にケーブルを通し、黒い線とスイッチをはんだづけします<写真15><写真16>。

写真14  レーザーのひふくを剥く
写真15 貫通穴に通す
写真16; 黒線とタクトスイッチをはんだづけ
写真17 赤線にスズめっき線をつける
写真18 レーザーモジュールをはめこむ

また、スズめっき線(抵抗の余り足など)を用意し、3cm程度に切ります。スイッチのレーザーをはんだづけした端子とは対角の端子に、めっき線をはんだづけします<写真17>。また、レーザーの赤い線にもう一本、スズめっき線をはんだづけしましょう。レーザーは裏側に組付けます<写真18>。

写真19 レーザーの照射口を開ける
写真20 少し顔を出す程度

また、レーザーの照射口をカッターで切り出します<写真19><写真20 >。

写真21 タクトスイッチ側のめっき線は電池の下
写真22 レーザーの赤い線は電池の上

写真21のように、スイッチにつけたスズめっき線は,電池のマイナス(下)側につなぎます。電池をセットして、電池の上に、レーザーの赤い線とつながったスズめっき線を置きます<写真22>。

最後に、消しゴムのカバーをつけて完成です<写真23>。MONOのロゴのMあたりを押すと光るはずです。どうでしょうか、無事にできたでしょうか。

写真23 カバーをかぶせる
写真24 完成

部品表 (合計500円)

記号部品名部品の内容使用数[個]購入数[袋]価格(円)店舗名通販サイトデータシート
LEDレーザーモジュール11380秋月電子通商通販リンクデータシート
スイッチ1cm角タクトスイッチ1110秋月電子通商通販リンク通販リンク
消しゴムMONO PE-04A11110文具店
部品表

瓶づめLED時計を作る

2021年1月31日

コルク瓶に自作のデジタル時計をつめこんだ、おしゃれな時計を作りました。

この時計は、はんだづけからプログラミング、装飾、プリント基板づくりにいたるまで、一から作っています。

今回は、このLED時計の製作過程を書きつづりたいと思います。

Fusion360で概要設計

まず最初に、思いついたイメージを3D-CADでモデル化しました。イメージは、コルク栓の試験管に空中配線された7セグメントLEDを立てて表示する構想にしました。試験管は、東急ハンズで販売されていた試験管(リカシツ:リム付 平底試験管 40φx190)を使うことにしました。

リカシツオンラインSHOP 【理化学用耐熱ガラスの専門店】

リム付 平底試験管 40φx190

https://rikashitsu.jp/online-shop/products/detail1201.html

〈3D設計の写真〉

3D-CADで設計

回路設計

回路図を下図に示します。

〈CK-02の回路図〉

回路図はpdfファイルにもとっております。

回路自体はとても単純です。殆どの機能をArduinoのマイコン(ATmega328-P)にまとめています。ブートローダ書込み済のマイコンを使えば、Arduinoの基板をわざわざ使わなくても、なかのICチップとクロックのみで動かすことができます。

[Arduinoを単体で動かす方法は下記のpdfがわかりやすいです]

https://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/ArduinBootloader_ArduinoUno_compatible_sch_20180118.pdf

また時間を数える機能は、マイコンの中ではなく、外部にRTCモジュール(M3231)をつけることにしました。

7セグLEDは、アノードコモンのオレンジ色(型番)を使い、アノードコモン側をPNPトランジスタでON/OFFします。カソード側は330Ωの抵抗を介してマイコンのデジタルピンに直接つながっています。LEDの最大電流は10mAであるため、マイコンの供給能力(20mA)で十分まかなえます。

基板設計

次に基板を設計します。基板設計はいつもKiCadというソフトを使います。

基板サイズは、コルク瓶に入れるために25mm×120mmと最初に決めました。

それに合うようになんとかして配線を押し込みます。今回は片面一層基板を使うので、線同士の交差はできません。そのため、どうしても部品を交差させるときは、5025サイズの0オーム抵抗を置いて対応します。

KiCadの便利な特徴として、3Dで表示できるのも魅力です。

最後に白紙の紙にパターンを白黒で印刷して、実際に部品を載せてピッチを確認します。

時計の基板図面をpdfにしています。

基板製作

今回は、エッチングという方法で基板を作ります。

https://www.marutsu.co.jp/pc/i/40779/

パターンは、インクジェットモードの白黒モードで印刷します。

基板はサンハヤトのクイックポジ感光基板(片面ガラスエポキシ)を選びました。基板のサイズは最小で100×150mmなので、1枚だけ切り出すにはもったいないので、3枚まとめてデータを作りました。

基板製作エッチングの方法は、サンハヤトの公式に掲載されていたのでリンクを貼ります。

https://www.sunhayato.co.jp/problem-solving/step_of_original_circuit.html

ここでは、簡単に手順を掲載します。

感光基板を露光してパターンを転写
現像液に浸して現像する
腐食液に浸してエッチング
水洗い
部品を差し込む穴をあける

はんだ付け

基板に部品をはんだ付けしていきます。

表面実装部品のはんだ付けはP板ドットコムの動画がわかりやすかったと思います。

表面実装部品をはんだ付けしていきます。抵抗のサイズは1608サイズという、ほぼお米サイズです。

7セグメントLEDは、空中配線立てます。構想してた時は不安でしたが、いざ組み立ててみると、結構しっくりきました。

基板にスイッチなどもはんだ付けすれば完成!いい感じになってきた。

ソフト設計

次に、プログラミングをします。

プログラムは、Arduinoを使って書きました。後日、プログラムも詳しく説明した投稿を載せたいと思います。

#include <DS3232RTC.h>//ライブラリーをインクルード
void setup() {
Serial.begin(115200);
DDRD = DDRD | B11111100;      //D7 6 5 4 3 2 1 0 の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRB = DDRB | B00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8の入出力設定(1で出力 0で入力)
DDRC = DDRC | B00000000;      //A* * 5 4 3 2 1 0の入出力設定(1で出力 0で入力)
//setTime(17, 31, 0, 29, 12, 2020);//初期設定 時、分、秒、日、月、年の順で入力
//RTC.set(now());//初期設定時間の書き込み
}
boolean Number_Array[11][7]={    //Number_Array[数字の数][セグ数]
                              //{g,f,a,b,e,d,c}で入力。1がOFF,0がON(アノードコモンのため)
{1,0,0,0,0,0,0},//0
{1,1,1,0,1,1,0},//1
{0,1,0,0,0,0,1},//2
{0,1,0,0,1,0,0},//3
{0,0,1,0,1,1,0},//4
{0,0,0,1,1,0,0},//5
{0,0,0,1,0,0,0},//6
{1,0,0,0,1,1,0},//7
{0,0,0,0,0,0,0},//8
{0,0,0,0,1,0,0} //9
};
//LED表示関数を定義
void Number(int x){
  for (int seg=0; seg<=6; seg++){
    digitalWrite(seg+2,-Number_Array[x][seg]);
  }
}
void loop() {
PORTD |= 0b11111100;      //D7 6 5 4 3 2をHIGH(一旦非表示にする)
PORTB |= 0b00111111;      //D * * 13 12 11 10 9 8をHIGH(一旦非表示にする)
int com[]={13,12,10,11};  //COMポートを設定{comA,comB,comC,comD}
int y[]={0,0,0,0};        //各桁に表示する数字の変数を宣言{時,時,分,分}
tmElements_t tm;
RTC.read(tm);
y[0]= tm.Hour/10;
y[1]= tm.Hour%10;
y[2]= tm.Minute/10;
y[3]= tm.Minute%10;
int dots = tm.Second%2;
dots = 255- dots *10;
analogWrite(9,dots);
  for(int i=0;i<=3;i++){        //ダイナミック点灯のループ
    digitalWrite(com[i],LOW);   //表示する桁を開ける
    int x=y[i];                 //その桁で表示する数字をxに代入
    Number(x);                  //xの数字を表示する
    delay(3);
    digitalWrite(com[i],HIGH);  //表示した桁を閉じる
  }  
}

このプログラムを、USBシリアル変換器を通して時計に書込みます。

書込みがうまくいけば、狙い通り、時間が表示される。

装飾

完成した基板をそのまま瓶に詰めました。うーん、なんかもの足りない、、、、

そこで、空いたすきまに百円ショップで購入した造花を加えてみました。

お、なんかしっくりきた。

ちなみに、電源はUSBからとっています。自作のものなので万が一、電源がショートしてしまったりする心配もしました。なので、いくらUSBだからといって、パソコンなどには刺さず、USBの充電器だけにしています(通常の充電器は、コンセントとトランスで絶縁されている、保護回路が必ずはいっているので)

完成品を棚のアンプの上にかざりました。円筒型なのでたまに転がってしまうので、なにか足になるものを作ろうと思います。

とりあえず、製作の記録としてホームページに載せてみました。

これからもいろいろなものを製作していこうと思っていますのでよろしくお願いいたします。

瓶づめマトリックスの製作

今回は、電光掲示板でおなじみの、LEDマトリックスを、コルク瓶の中におさめた時計を製作しました。全て空中配線で構成しています。

LEDマトリクス時計

と言っても回路設計からしたのではなく、

秋月電子のマトリクス時計キットを使いました。今回は、これを直径3センチ、高さ13センチの試験管に、空中配線で実装します。

秋月のマトリクスキット
部品点数は意外と少ない

秋月のキットには回路図が付属されているのでとても作りやすいです。

基本的な機能は全て、PICマイコンに集約されています。電源は、6~9V程度とかいてありますが、レギュレータで5VにしてICに供給しているようです。

今回は、USBから供給しようと思うので、レギュレータの回路は取っ払います。

空中配線といっても、一番下の土台にはユニバーサル基板を使いました。ここから、1.6mmのVVF線を柱として生やしました。

キットには回路図がついているので作りやすい
VVF線を柱に建造
マトリクスの裏にも小さい基板を配置
自立させることができる

今回は、試験管に組み込んでみました。電源は、5VのUSBをそのまま接続。

思った以上に、良い見た目です。

試験管に入れる
MFTに出展